青森の水産加工が拓くインド市場──日本の味覚を世界の食卓へ
はじめに
青森県は、全国有数の水産県として知られています。特にホタテやイカを中心とした水産加工技術は高く評価され、国内外で安定した品質を誇ります。
一方で、国内の魚介類消費量は減少傾向にあり、今こそ新たな市場を探すタイミングです。
急速に成長するインド――人口14億人、年率6%超の経済成長を続ける国――は、日本の食文化を受け入れる素地を広げています。首都デリーや商業都市ムンバイでは、日本食レストランや高級スーパーで「和食」需要が急増中。
本記事では、青森の水産加工業が持つ強みを活かし、デリー・ムンバイ・チェンナイ・バンガロール・ハイデラバードなど主要都市を中心に広がるインド市場への可能性を紐解きます。
1. 青森県水産加工業の現状と強み
青森県は、豊かな漁場と高い加工技術を背景に、全国でも屈指の水産県です。
特にホタテの生産量は日本一。陸奥湾では安定した養殖が行われており、冷凍・乾燥・惣菜向けなど多様な加工ノウハウがあります。
一方で、農林水産省「令和5年度 水産白書」によれば、日本人一人あたりの魚介類消費量は2001年度の約40 kgから2022年度には約22 kgへと半減。国内市場の縮小は明らかです。
こうした中、青森の水産加工業者にとって「海外展開」は避けて通れないテーマになりつつあります。中でも、所得上昇と外食文化が進むインドの大都市圏――特にムンバイ・デリー・チェンナイ・バンガロール――は、新たな輸出・販路先として注目されています。
2. 成長著しいインドの水産市場
インド政府の統計によると、2023–24年度の海産物輸出は 181.9万トン・61,043.68 croreルピー(約810億円) に達し、過去最高を記録しました。
一方、国内の魚介類市場も拡大を続けています。IMARC Groupによると、インドのシーフード市場規模は2024年時点で約120億ドル、2033年には約252億ドルに達する見通し(年平均成長率7.5%)。
特に成長が顕著なのが、南インドのチェンナイやコーチン(ケーララ州)といった伝統的な魚食地域です。これらの地域では冷凍・加工食品への需要が年々高まっています。
一方で、デリーやバンガロールなど内陸都市では、健康志向・高所得層を中心に日本食や寿司が人気となり、輸入水産物の新しい消費拠点になりつつあります。
また、ムンバイ港やビシャーカパトナム港(アーンドラ・プラデーシュ州)は、輸入水産品の主要な物流拠点として整備が進み、日本企業にとっても安定した通関・保冷体制を利用しやすい環境が整っています。
3. 青森×インド:強みの掛け合わせが生むチャンス
青森の水産加工品は、単なる“原料輸出”ではなく、「安全・高品質な日本の味覚」としてインドで差別化できます。
例えば青森のホタテは、ムンバイの高級レストランやデリーのホテルチェーンで前菜・寿司食材として注目が始まっています。イカやサバは、チェンナイやハイデラバードで惣菜・カレー用の冷凍食材として展開しやすい品目です。
また、青森の持つ「低温流通」「急速冷凍」「衛生基準」などの加工インフラは、インドの新興食品産業にとって貴重な技術資源です。現地での共同加工や技術供与(例:バンガロールの食品工場で青森式冷凍技術を導入)といった“技術輸出型モデル”も十分に検討できます。
“青森の品質”と“インドの需要拡大”――この二つの掛け合わせは、地域ブランドを世界市場で再構築する大きなチャンスです。
4. 進出に向けた5つのチェックポイント
実際にインド市場を検討する際には、以下の5つのステップで準備を進めることをおすすめします。
STEP1 法規制と関税の確認
インドでは食品安全基準局(FSSAI)が食品輸入を管轄しており、ラベル表示・衛生基準・残留物検査などが求められます。輸入時には検査証明書の提出が必要となるため、事前の規制確認が不可欠です。
特にデリー・ムンバイ港での輸入審査を想定した準備が欠かせません。
STEP2 現地市場調査
南インド(チェンナイ・コーチン)は魚消費の中心、北インド(デリー)は外食需要中心、西インド(ムンバイ・プネ)は富裕層マーケット、南部内陸(バンガロール・ハイデラバード)は新興中間層市場です。都市によって販売戦略を変える必要があります。
STEP3 物流とコールドチェーンの整備
ムンバイ・チェンナイ・コルカタの3港は冷凍輸送網が比較的整備されています。現地の冷蔵倉庫・配送業者との連携を確保しましょう。
STEP4 価格・パッケージ・味のローカライズ
ハイデラバードなどスパイス文化圏では“グリル・マサラ風味”など、現地嗜好に合わせた提案が有効。英語+ヒンディー語ラベルも必須です。
STEP5 パートナーシップ構築
都市別に異なる市場特性に対応するため、現地の食品輸入商社・Eコマース企業(例:バンガロールのBigBasket、ムンバイのNature’s Basket)との提携が鍵となります。
これらのステップを体系的に踏むことで、リスクを抑えつつ効果的に市場参入を実現できます。
まとめ
青森県の水産加工業は、品質・技術・信頼という日本ならではの強みを持ち、インドという成長市場で大きな可能性を秘めています。
インドの水産市場は今後10年で倍増が見込まれ、都市化とともに高品質な水産加工品の需要が確実に拡大します。
国内市場が縮小する今こそ、海外、とりわけインド市場に挑戦する絶好のタイミングです。
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